RALYY JAPAN REPORT FROM OBIHIRO
現地帯広からアールエスタケダ代表、たけだが綴るラリージャパンの日々

帯広の一日 投稿者:アールエスタケダ  
投稿日: 9月 1日(水)00時43分4秒

今日の午後から帯広のサービスパークへ入った。台風の影響で空路が乱れ、あやういところであったが予定通りの時間に現地入りできてよかった。
天候は荒れていて、サービスパークでの作業を断念し、帯広ネッツの工場をお借りして追加整備を行った。町中では多くのラリーカーの姿を見ることができ、いよいよ始まるのだという感じが伝わってくる。途中の道路で前後をサポートカーに守られて公道を走るスバルのWRカー2台とすれ違った。明日のセレモニースタートでは間近でその勇姿を見せてくれるだろう。
夜はウェルカムパーティに参加した。
公式車検 投稿者:アールエスタケダ  
投稿日: 9月 1日(水)19時56分19秒
公式通知によると我々のマシンの公式車検は13時から。インターラリーの車検は昨年も経験しているのだが、今回はFIAの技術委員長が派遣されてきているため厳しい内容となると聞かされていた。正直緊張する。前日に発覚した問題点はメカの努力によりすでに解決済み。ではあるが妙に緊張する。
車重測定から、装備品、安全確認、ミッションのシーリング、GPSユニットの取り付けと動作の確認と進む。何点かの指摘を受けたがきちんと説明ができ問題なく(英語の)公式車検をクリア。最初の難関は突破した。

明日の夜はいよいよセレモニースタート

安全装備については特に慎重にチェックされる
セレモニースタート 投稿者:アールエスタケダ  
投稿日: 9月 2日(木)
いまからセレモニアルスタートが始まる。すでにワークスドライバーによるサイン会も始まり、通りは興奮に包まれている。
我々のスタートは19時40分。交通規制された大通りは多くのラリーファンに埋め尽され、カラーリングされたラリーカーが通りを走り抜ける様子はまさに異世界の様相を呈している。いよいよ日本で初めてのWRCラリージャパンが始まる。

ゼッケン1番のスバルの選手
ラリーディが始まる 投稿者:アールエスタケダ  
投稿日: 9月 3日(金)
通りを交通規制して行われたセレモニースタートはレーザー光線が煌めきスモークが焚かれる中、次々と美しいラリーカーがポディウムに登りスタートしていく。昨年参加したラリー北海道の時を遥かにしのぐ数万人の観客が数百メートルの道路に溢れていた。
セレモニースタートが終りマシンをサービスパークに戻す道中、沿道から多くの声援をいただいた。私たちのマシンに向けたくさんのフラッシュがたかれ、暖かい励ましの言葉に身が引き締まる。明日の天気予報は快晴と聞いた。今夜10時過ぎに発表された公式通知によるとスタート時間は06時48分。
LEG 1 SS1 YamWakka 投稿者:アールエスタケダ  投稿日: 9月 3日(金)
いまラリー車がサービスパーク TC0を通過し、3日間のラリーディが始まった。一日目のLEG1は97キロ離れた陸別町のステージから。最初のSS「YamWakka」のスタートタイムは8時56分。ステージリザルトは逐一ラリージャパンのHPで公開されている。
最初のSSから23.26キロというロングステージとなる。ここはいままでにない超高速設定のコース。WRCの洗礼が始まる
SS4まで終了 投稿者:アールエスタケダ  
投稿日: 9月 3日(金)12時05分34秒
サービスのタイムコントロール通過時間が通知された。陸別サーキットで行われたSS4では同クラスのライバルであるダイハツワークスチームをわずかながらリード。
すでにボディと排気系に軽度のダメージを受けたとの連絡がクルーからあったためサービスパークは緊張感に包まれている。この最初のサービスAに与えられた時間は20分。正味の作業可能時間は18分間となる。この時間内に与えられたテクニカルオーダーをこなすことが我々サービスクルーの最初の仕事となる。

Service in A
IN 13:06
OUT 13:26
札内スーパーS.S. 投稿者:アールエスタケダ  
投稿日: 9月 3日(金)
リタイア車がつぎつぎとサービスパークに運び込まれる。そんな中、われわれのマシンは順調に走行を続けているようだ。このまま無事にステージを重ねれば、今日の最終ステージである札内川のスーパーS.S.を迎えることができる。サービスパークでのサービスを受ける前に行われるステージのため、夜間走行用のランプポッドを装着するセクションが用意されているのだが、現在は情報が交錯しておりチームは少し混乱している。
SS6 リタイア 投稿者:アールエスタケダ  
投稿日: 9月 3日(金)19時55分45秒
確実にペースを上げ順位を上げてきたクルーであったが、インターネットで逐一知らされるリザルトから名前が消えた。
SS6でコースオフによるリタイア。山間部を抜けたクルーから携帯電話による連絡が入る。コースアウトを喫したものの幸いボディにはダメージがなく、再出走が可能であることが分かった。
すぐさま我々のチームはWRCの規定に従いスーパーラリーの申請を行った。
現在は参加を受け入れられるかどうか審議中であり、ヘッドクォーターからの通知を待っている。
サービスパークではチーム員全員がマシンの戻りを待っている。
SS10 Pawse Kamuy 投稿者:アールエスタケダ  
投稿日: 9月 4日(土)
スーパーラリー規定での出走が認められ、われわれのチームは早朝5時から再車検を受験。指定されたスタート時間は7:12となる。朝のサービスタイム10分を完了し、LEG2最初のステージPawse Kamuyへと向かった。道幅も広く高速コースが続くコース。観戦ポイントも用意されている。手堅く完走を狙った昨年とは一味違い、ある意味ドライバーの能力を出しきっての走行をオーダーした今回のWRCは本当の戦いの始まりを意味している。
スーパーラリーでの出走が決まった今日からは、いかにステージタイムでライバルたちを凌駕できるかがポイントとなる。
SS14終了 投稿者:アールエスタケダ  
投稿日: 9月 4日(土)13時20分19秒
次回迎えるサービスDは14:16から。われわれのマシンは順調に走行を続けている。
SS13で、いつもお世話になっているシャフトの大桃社長が激しくロールオーバーしたとの情報が飛込んできた。ドライバーは救急車で運ばれている。救援のため続くSS14はステージキャンセルとなっている。トップはスバルのソルベルグ。サービスパークにもたらされる情報は錯綜していて混乱しがちである。
まもなくマシンがサービスパークに戻ってくる

TC in 14:16
TC out 14:36

札内スーパーSS 投稿者:アールエスタケダ  
投稿日: 9月 4日(土)19時16分
まもなくレグ2の最終ステージ札内スーパーSSが始まる。二台のマシンが同時に走行するこのステージはエキサイティングな演出がされており、たいへんな盛り上がりだ。いま目の前をTOMYマキネンのゼロカーが走り抜けていく。スターティンググリッドにはソルベルグのインプレッサがスタートを待ち待機中。
今日はわれわれのマシンも無事にレグ2の日程を終了し、この札内を走行する。スタートタイムは20時45分から。
とてもわくわくする。
札内SSスタート 投稿者:アールエスタケダ
 投稿日: 9月 4日(土)21時06分
まもなくわれわれのマシンがスタートする。現在はさきほどランサーがヒットして破損したガードレールの修復にオフィシャルがコース内にはいっており、走行が一時中断。予定では21時15分くらいの出走となる。
同じクラスのマシンか、近いポテンシャルのマシン同士が走るのだが、ヴィッツとランサーの組み合わせがあり、ヴィッツが勝ってしまったりするのでなんだか楽しい。

夜間照明で照らされた競馬場ほどもある巨大なスタジアムには二万人近い観客が熱く二台のラリーカーの走りを見つめている。
われわれのマシンはきれいにスタートを決め、ゲートを通過。並走するラリーカーはストーリア。
中村はすさまじいドリフト走行を見せ付けながら外周を走り抜ける。中盤から中村はストーリアを大きくリード。フィニッシュラインを駆け抜けた。


ラリーカーの走りを見つめるサービスクルー
レグ3 投稿者:アールエスタケダ  
投稿日: 9月 5日(日)11時40分
ラリージャパン3日目のステージは新得町周辺の高速ステージ。
中村はペースを上げ、前走者を追い越すほどの追い上げを見せる。130キロ近い速度でのコーナーリングが連続するステージをいくつか終了したあとは再び帯広に戻り三回目の札内スーパーSSに挑む。ここはダートラ出身の中村には負けられないステージ。
一旦サービスパークに戻り、20分のサービスを経てラリー最後のステージは再び新得周辺でのアタックとなり、これでラリージャパンのすべての日程が終了する。

最終ステージ 投稿者:アールエスタケダ  
投稿日: 9月 5日(日)
ワークスマシンが次々とサービスパークに戻ってきた。取り囲むラリーファンから歓声が上がり、スバルワークスのソルベルグは得意の箱乗りを披露し、観衆を沸かせる。
サービスパークの撤収を進める我々のもとに最終ステージをスタートしたクルーから突然電話がかかってきた。

ヘッドクォーターで公式通知を待つ武田
全日程終了 投稿者:アールエスタケダ  
投稿日: 9月 6日(月)10時38分58秒
ラリージャパンの全日程が終了。いま帰りの千歳行きの電車の中でこの参戦記を書いている。
最終ステージでは突然ファンベルトが脱落するトラブルが発生。クルーがSS内で応急修理をして再出走を果たしたが惜しくもタイムアウトでステージを終了した。

なにが起きるか分からないのがラリー。完走を目前にして最後のステージ、最後のコーナーでコースアウトリタイアした選手もいた。まさにラリーは筋書きのないドラマ。なにが起こるかは、最後の最後までわからない。
はじめて体験するWRCへの挑戦で得られたことはここには書ききれないほど多い。

走行終了後のクルー



ラリージャパンの全日程を終了。



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